17th HOT ROD Custom Show

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November 12, 2008

17th HOT ROD Custom Show

もうそんな季節が近づいて来ました。今年もエントリーさせて頂きます。

今年は、去年シャーシで持ち込んだ、1947キャデラック62です。スタッフの入れ替わりなどもあり、ずいぶん遅れてしまいましたが、ようやく形になったので持ち込もうと思っています。

今回は、そのキャデラックの作業などを簡単ですが紹介します。

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ようやく本国で見つかり、PUMPKIN SALLYに届いた時の写真です。こんなです。しかし、こんな車を探していたのです!まずは、欠品が少ない事。探していたのはベース車です。すべてやり直しを前提としています。中途半端に奇麗な車は、ボディーの状態が解りません。嫌と言うほど散々な目に合ってきています。色を剥いだら穴だらけ、ボディーはベコベコ錆びだらけ。サンドブラストをかけると、見事なほどボディーがなくなって行く事も珍しくないのです。

出来るだけ薄っすらと錆び、腐ってはいないボディー。全体が薄っすら錆びていれば、パテはありません。色々な角度から見ると、ほぼストレートボディー。Goodです。

2年近く探したかいがありました。キャデラックマニアから購入しました。

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作業開始。すべてバラシます。

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フルオリジナルです。

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ベースとしては完璧ですが・・・・スゴかったです・・・

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どんどんばらして行きました。サンドブラストをかけるので、何一つ部品が付いていたら、底にはサンドブラストがかけられないのです。かけてはいけない部品も外しておかなければ、やられてしまいます。

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裏側のアンダーコートも剥がします。

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フレームも加工するので、全てのパーツを外しジグに寸法を取り固定。

今回は、オーナーの星野氏の希望で、ハイドロリクスを装着することになりました。が、PUMPKIN SALLYで普通のハイドロを組むわけにはいきません。しかも、この年式はまだサスペンション技術が確立される前のサスペンション。60年代以前のサスペンションは、不完全な設計です。かなりのメンテナンスを必要とし、現代のサスペンションシステムと比べると、粗悪品です。

 

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と言うことで、こんな風になりました。フロントフレームをワンオフ、リヤフレームもワンオフです。

フロント&リヤのサスペンションシステムは、'86コルベット(C4)を使いました。コルベットは、モノリーフサスペンション(1枚の板バネを横置き)ですが、コイルオーバーサスペンションを4本使い、4輪独立にし、以前から温めていたハイドロリクスシステムを使い、車高調整を可能にしました。しかも、ワイヤーホイールを着けられるように、フロントは2インチナロード。ボディーを仮組みし、寸法を測りホイールに合わせてフレームを製作していきました。

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組みあがったフロントサスペンション。ポリッシュしたC4コルベットのアッパー&ロアアームにコイルオーバーサスペンションをセットし、コイルオーバーサスペンションのフレーム取り付け部が、油圧シリンダーによって上下し、車高の調整が可能になっています。利点は、サスペンションの機能を崩さずハイドロリクスが付けらられる事と、どこも無理をしていないので、ローライダーが悩まされている油圧シリンダーの故障 がほぼ無いことです。

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リヤも同様に、アームを介してコイルオーバーの取り付け部が油圧によって上下し、車高調整が可能になっています。サスペンションは、ワンオフフレームにC4コルベットの独立サスペンションをポリッシュしてセットしています。

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2007 H.C.S.にて、このサスペンションシステムが世界で始めて創られたハイドロリクスサスペンションシステムとBEAN BANDIT'Sに言われ、賞まで頂くことが出来ました。

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ボディーを乗せる前のコンプリートシャーシです。エンジンはコルベットのL98をリビルとし、ミッションは700R4をセット。エクゾーストも引きワンオフの燃料タンクも乗せました。油圧ラインは、だらしないホースはシリンダーから5インチ程度しか使わず、その他は全てステンレスパイプで作りました。

 

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ボディーは、サンドブラストで可能なかぎりの錆を取り除き、オリジナルを基本に組み上げて来ました。

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シャーシと、これから乗るボディー。

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ようやく乗ったボディー、オーナーの星野氏も手伝ってくれました。

何年も待ち、少しづつ完成に近づく世界に一台の、自分のためだけに造られて行く車を実感していました。

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組み付け作業が進んでいきますが、普通では考えられないほど、様々な部品が手作業のワンオフで 作られ、組まれています。フレーム・マウント類・ラジエター・ブレーキペダル・フューエルタンク・フェンダースカート e.t.c....

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色々な物が手作業で、この車のために作られました。皆さんが気づかない所にもたくさんのワンオフ部品が使われています。気づかれなければ、良く出来た証拠ですね。売っている部品と間違われるのが、喜びです。

PUMPKIN SALLYでは、日ごろこんな仕事をしています。このキャデラックも試乗を重ね、詰めて行きます。フレームから造れると、無理する箇所も無く完成度の高い車が出来るので、ビルダーとしてはやりがいがあります。

私は、私たちがこの世を去っても、後世に残る車をたくさん造りたいと思っています。

100年いや200年PUMPKIN SALLYが造った車が残るように。

H.C.S.で展示させてもらいます。

もちろん、自走で!

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Profile
Shorty

カービルダー。
本名:佐藤 剛
20歳でオールドアメリカンに魅せられ技術を習得。
1997年PUMPKIN SALLYを設立。
“走れない車は、車ではない”を信念に、車製作から修理まで車にかかわることを総てこなす。





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